健康状態を反映するCRI
西東京市のトップカイロプラクティックです。今回は「頭蓋骨と周波数」についてのお話しです。正確に言うと「頭蓋骨で触知される周波数」ということになると思います。今回の主役となる周波数とはCRIと言われています。このCRIは現在の健康状態を現し、CRIのレートの変化は健康状態の変化とも言えます。CRIが理想的なベクトルへの変化を見せれば健康状態は向上していますし、反対方向に変化すれば健康状態は低迷していると考えて差し支えないと思います。
CRIとは何か?
CRIは「Cranial Rhythmic Impulse」の略称であり、日本語ですと「頭蓋律動インパルス」と呼ばれています。CRIは今から100年前の1920年代に、CSTのサザーランド先生やSOTのディジャネット先生が存在を確認されていました。しかし当時はCRIが重要なものであるのは解っていたが発生機序については不明なものであったようです。サザーランド先生は1924年頃には「脳の頭蓋骨内での不随意な動き→脳室の拡張と収縮→CSF(脳脊髄液)の脈動→相反張力膜(硬膜)の動きという合理的とも言える説明をされていたそうです。
少し余談ですが、私がCRIと思われるものを確認できたのは、SOTを勉強し始めて5年くらいの時であったと思います。しかしCRIの重要性については全く理解していませんでした。CRIの重要性が何となく解ったのは今から20年以上前になります。
ある患者さんが全くと言って良いほど改善しないのに根気強く来院してくれました。暫くしてある日を境に患者さんの状態が改善方向に向かい始めました。私としては何が改善方向に向かうきっかけになったのか全く分かりませんでしたが、唯一CRIレートが大幅に良くなっているのだけは理解することができました。その変化は脳波に例えるとδ派に相当する周期よりも、よりゆったりした周期に変わったと事と言えるでしょう。
1997年にマクパートランド先生(D.O)とメイン先生(M.D)によって「Enrainment and the Cranial Rhythmic Impulse」が発表されました。この論文によるとCRIは「複数の生物学的振動子のリズムを組み込んだ調和周波数」であると述べられています。このエントライメント理論はアメリカのセミナーでお世話になったスティーブ・ウィリアムス先生のセミナーノートにも「これまでで最も完全な理論」と記されていました。
複数の生物学的振動子とは、代表的なものは呼吸、心拍、CSF、ニューロン、グリア細胞、脳波などがそれに相当するでしょう。そして交感神経と副交感神経のバランスが取れているとき多くの振動子は調和して、強力で協調性のある正弦波状に変動する同調周波数となり、強くて健康的なCRIとして触知できます。
CRIのリズムの特徴は複数の振動子が互いに調和した高調波を形成した独立したリズムになります。従って視覚的にも解りやすい呼吸のサイクルとは全く異なるリズムを形成します。患者さんを仰向けにしてCRIを観察すると、呼吸により胸郭が拡張と収縮を繰り返すリズムと、CRIが拡張と収縮を繰り返すリズムは全く異なることが良く解ります。
マクパートランド先生とメイン先生によると、「交感神経系と副交感神経系のバランスの取れた、健康な人間の被験者で測定された同調周波数は0.125Hz、つまり1分間で7.5サイクルです」と述べられています。0.125Hzの周期は8秒ですので、CRIの拡張と収縮が4秒毎に発生するリズムとなります。これは平均値でみるとかなりゆったりしたリズムになります。0.1Hz~0.125HzのCRIの患者さんは症状的なものはなく、体調的にも不安要素を自覚しない場合が多いと思います。つまり波長が長く振幅が大きいCRIが強くて健康的なCRIと言えるでしょう。
初診の患者さんは波長が短く振幅の小さなCRIであることが多いです。周期4秒で0.25Hz前後が多いと思います。そして左右非対称なCRIであることも多いですね。この左右非対称は相反張力膜の左右非対称の緊張の強さを現しています。通常はアジャストを重ねてCRIが自然と改善していきますが、自律神経的な問題が強い場合にはCRIの周波数を改善する方法を用いる場合もあります。CRIの周波数が0.25Hz(周期4秒)から0.2Hz(周期5秒)に変化することは非常に大きな変化です。
次回はその方法である周波数選択的同調などのお話しもしてみたいと思います。
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